視界の隅々まで色がついて見えていると思っている人が多いけど、
人が色を感じるのは網膜の中心部分だけで、実は周囲は白黒に見えている。
実際には白黒に見えているのに、それに気づかないのはなぜだろう?
1.人間の目の作り
1−1.なぜ物は見える?
目の角膜に映った映像は、水晶体を通して網膜の視細胞が感知し、それを視神経を通して脳に伝えているよ。
網膜には、ピンホールレンズみたいに、映像がさかさまに映っているよ。
網膜には色を感じる視細胞があって、それが視神経を通って脳に伝わるよ。
映像はさかさまに映っているんだけど、頭の中で補正して、ちゃんと上下は正しく感じられるよ。ま、当たり前といえば当たり前だけどね。
1−2.錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞
視細胞には、錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞の二種類があるよ。
錐体は、色を感じる細胞で、数百万色の色を識別できるよ。ただ、暗いところではほとんど機能しないという欠点があるんだ。
一方、桿体は、色を感じることができない細胞なんだけど、薄暗いところでもものを感知することができる、という特長があるよ。
1−3.目の周囲は実は白黒に見えている?
この錐体は網膜の中央付近にあり、桿体は網膜の周囲にあるよ。
だから人間の目が色を感知できるのは、視界の中央部分だけで、周囲は白黒に見えているんだよ。
友達に椅子に座って正面を向いてもらう。それから、視界の真横の方でクレヨンを見せて色あてをしてもらう。そうすると、クレヨンがあることはわかるのに、ほとんど色を充てられないんだよ。
でも、普段視界に白黒の部分があるなんて思ったことないよね?
実際には白黒に見えているのに、それに気づかないのはなぜだろう?
2.目に映ったものが、そのまま見えている訳ではない
2−1.すべてのことは脳内で起きている。
さっき、「映像はさかさまに映っているんだけど、頭の中で補正して、ちゃんと上下は正しく感じられる」って話したけど、これは結局、脳が映像をどう処理するか、ってことだよね。
2−2.盲点
人の目の奥には、「盲点」といって、ものを見ることができない部分があるよ。(100万本位の視神経が通っているところ)
でも、本当に盲点があるなら、見えない場所がぽっかり穴があいたように見えたりしないのはなんでだろう。
実は、脳が欠損した映像を、周辺の視覚情報で補っているんだよ。
「多分、こうなっているはずだ」って、実際には見えてないのに周囲の色と同じにしたり、柄を合わせたりする。
だから、普段は盲点の存在を認識することはないよ。
2−3.周囲の白黒も想像してるだけ?
先ほど、クレヨンの色当てをしてくれた友達に、赤色のクレヨンを見せてあげよう。
そのあと、さきほどと同じように椅子に座って正面を向いてもらう。それから、視界の真横の方でクレヨンを見せてみる。そうすると、今度は、赤色のクレヨンであることがちゃんとわかるんだよ。白黒に見えているはずなのに。
そして、今度はこっそりクレヨンの色を青色に変えてみるとどうなるか?
なんと、クレヨンの色は赤色のままとなる。
どういうことかというと、白黒の濃淡だけでのクレヨンを、脳が経験から予想して赤色で補っているからなんだよ。
3.まとめ!
・目は角膜に映った映像を、水晶体を通して網膜に映して、それを視神経を通して脳に伝えている。
・人の視界の周囲は白黒に見えている。(色を感じる視細胞がないから)
・実際には白黒に見えているのに、それに気づかないのは、脳が色を予想しているから
・つまり、目に映ったものが、そのまま見えている訳ではなく、脳が補正した情報を感じているだけ。
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